「カルメン」というと、自由奔放な女、女性の自立という解釈をする評論家や研究者がいます。
しかしながら、カルメンは愛するドン・ホセがミカエラと結ばれるために自ら身を引く。一方、ホセはそんなカルメンの本心を見抜けず、彼女に対する情熱が狂おしいまでに高まってゆく。こう解釈しないと、原作にはないミカエラというキャラクターを登場させた意味、カルメンはホセには自ら近づいてゆくが、エスカミーリョについては一方的に迫られたこと、刺される直前までホセに贈られた指輪を外さなかったこと、自らホセの胸に飛び込んで刺されるラストが活きません。つまり、カルメンは死ぬ直前までホセを心から愛していたのです。
そのようなカルメンの揺れる内面を情感を込めて表現できたらすばらしいと思います。1978年クライバー指揮ウィーン国立歌劇場(denon cobo-5901)がすばらしく、リブレットの意図をよく理解しています。
コメントをありがとうございます。
過去二回、『セヴィリアの理髪師の結婚』でご一緒させて頂き、沢山のアイディアをお持ちで、才気溢れる家田淳さんが、どういった解釈で演出されるか、楽しみです。
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日曜日の深夜に「ピアノの森」というアニメが放映されており、いくら天才だからって調律もされないまま森の奥に放置されていたピアノは弾けないだろうなと思いながらも、面白がって観ています。伏線が活きており、特にピアノを弾くシーンが絶妙です。日本オリジナル、あるいは日本人演出のオペラを観るにつけ、件のアニメのような細やかな演出は難しいでしょうね。